株主ならびに投資家の皆様へ
KDDI は、2000年の発足から数えて今年で10周年を迎えます。
10 年間の歴史は成長に向けた挑戦の歴史でした。
競争環境が新たな局面を迎えつつある今、KDDIらしさを再度見つめ直し、
創業の精神であるベンチャースピリットをベースに、新たな価値創造に向け前進してまいります。
NEXT STRAIGHT TALK WITH THE PRESIDENT
—小野寺社長に聞く
「KDDIならでは」の経営戦略
2009年度の営業収益は、移動通信事業における「シンプルコース」への移行に伴 う音声ARPUの減少により、前期比1.6%減の3兆4,421億円となりました。営業利益 は、移動通信事業が減益となった一方、固定通信事業が営業損失を縮小したことで、 4,439億円と前期並みを確保しています。2010年度の黒字化実現を目指す固定通信 事業においてネットワークスリム化に伴う事業構造改革費用を計上したため、当期純 利益は前期比4.5%減の2,128億円となりました。
現在、国内の通信市場の競争環境は新たな局面を迎えています。個人向け市場の 成長が鈍化する移動通信市場では、ブロードバンド化の進展とともにデータカードや スマートフォンなど一般の携帯電話端末以外の新需要への対応や、コンテンツ・メディ ア事業をはじめとする非トラヒック分野への積極的な対応が不可欠となっています。 固定通信市場では、「直収化」「IP化」「ブロードバンド化」の急速な進展によりアクセ ス回線ビジネスの重要性がこれまで以上に高まっています。進展する固定通信と移 動通信、通信と放送の融合は、固定通信事業と移動通信事業を有する当社の優位性 を本格的に発揮するステージが整いつつあることを意味します。
KDDIは、ユビキタス社会のさらに先にある「アンビエント社会」を見据えています。 そこでは、ICTが自然な形で社会に溶け込み、利用者が意識することなく、安心、安 全、快適な生活を送ることを支援します。2010年10月に第二電電株式会社、KDD株 式会社、日本移動通信株式会社の三社合併から10周年を迎える当社は、「アンビ エント社会」の実現に向けて、「KDDIならでは」の新たな価値創造に果敢にチャレンジ してまいります。
株主・投資家の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお 願い申し上げます。
2010年7月
代表取締役社長兼会長 小野寺 正
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